「悪」の作り方を学べ!「面白いストーリーの作り方 スキルアップ編」

こちらも「大どんでん返し創作法」を読んでいることが前提になっている記述がいくつかありますが
どんでん返しが話の本題ではないため、読んでいなくてもある程度、知識は吸収できます。

この本は「魅力的な『悪』の作り方」について、
入念に、それはもう入念に書いてある本です。


要するに「金持ちだから悪い」とか「宇宙からなんか降ってきた」みたいな
漠然とした敵では読者は付いてこないよ、
主人公と対立する存在である「悪」についてしっかり考えよう、といった感じの本です。

お悩み回答編」では「主役から大切なものを取り上げろ!」と強調し、
その方法を解説していましたが、今回は悪役版です。


この著者にしては珍しく、「味付け」のやり方も結構しっかり書いてあります。
その例のひとつに「自分にとっての○○は何か?」と
読者に対して問いかけてくる文面が何度かあります。

そう、これです。
創作指南書に求められるているのは。


小手先の技術であれば、付け焼き刃が外れないように一戦終わるところまで(※)。
(※一作書き上げられるところまで)
ずっと使える技術であれば、打った刀が折れないよう、
折れそうになったら思い出すためのきっかけになる言葉。

そういう表現が無いと、「創作について教えている」とは言えないと私は思います。
この本は「魅力的な悪役を作る方法」についての解説で
そういったアドバイスがきちんとされていて、
かつコストパフォーマンスにも優れているので、良い本だと思います。

「お悩み回答編」のような罠もないので
安心して悪役の作り方を学びましょう。


しかし、罠ではありませんが落とし穴がひとつありました。
物語を作る際に、感想が帰ってくるまで待つフィードバックでは時間が掛かりすぎるため、
フィードフォワードを使う、具体的には「今の反響を見ながら作品を修正していく」と
いうものがありますが、これは高度すぎるテクニックで、初心者には向きません。
「スキルアップ編」とはいえ、折角教えた「悪」の作り方を台無しにしかねない、
生徒を駄目にしてしまうかもしれない危ない教え方なので、警告しておきます。

フィードフォワードという言葉自体、創作では使わないので耳慣れませんが、
確かに著者の書いているようなフィードフォワードの技術を使いながら
創作することは、私も結構あります。

しかし、創作初心者にとって大事なのは
「軸のぶれていない完成品をひとつでも仕上げられるかどうか」であり、
著者も「完結させるのが一番大事だ」と書いているにも拘わらず
こんな危ないテクニックもついでに載せてしまっているのです。


これは著者が「効率良く完成作品を量産できる人を増やす」ことを
目指しているからこそ陥ってしまった、著者すら気付いていない落とし穴かもしれませんが
ともかくまずは地道に一本、その根気が無ければ創作など出来やしません。
ここだけは、どんなに効率が悪くても、作り手の根性が試されているところなので
省くことが出来ない手間なのです。

フィードフォワードの技術については、
完成作品をある程度、安定して作れるようになってから参考にすると良いと思います。

他は、なかなか安定した内容でした。
この値段でここまで教えてもいいと考える人は、あまりいないと思います。


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